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《鬼滅の刃》たくさんの愛を(短編集)

第3章 照れかくし(時透無一郎)*




愛しい彼女が隣りで寝ている。
あれから一晩中鳴かせた。
たくさん僕を彼女に刻んだ。
…彼女のことは、一目惚れだった。
初めて彼女を見たとき
運命というものを感じた。
それと同時に自分のモノにしたいという
独占欲が湧いてきた。
だから僕は自ら彼女を継子として指名した。
他の男のところになんて絶対行かせたくない。
その気持ちでいっぱいだった。

でも僕は不器用だから、
彼女に優しくできずいつも冷たく
接していた。
それで彼女と何度もすれ違った。
そして継子を辞めると言われたとき
冗談だろうと思ってた。
でも稽古にも来なくなり
完全に僕を避けるようになった。
流石にキツく当たりすぎたか…と
思い始めたときに胡蝶さんから
"このままだと彼女、他の人に
取られちゃうかもしれないですよ"
"彼女、激鈍ですからね。
行動しないと気付かないですよ"
と言われ何故かカナヲさんのところに
行かされた。
そしてその帰り道…

『冨岡さんの継子にしてください!』
あーあ、やられた……
まぁでも自分が悪いし?
僕より冨岡さんの方が
優しく教えてくれるだろうし
その方が彼女にとってもいい
なんて考えてたのに気付いたら
体が動いてた。
…カッコ悪すぎとか思ったけど、
彼女を他の奴に取られたくない。
ただただそれだけだった。
でも彼女は僕のところに戻ってきてくれた。
こんな僕のことを好きだと言ってくれた。
…僕の方がずっとずっと好きだった。
寝ている彼女の頬に口づけをする。

『…無一郎…さん…愛してます…』

「ーーー!!」
そんな彼女に毎日欲情しそうな気配。

















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