第13章 恋愛事情(時透無一郎)
「東雲、ちょっといいか?」
『はい、なんでしょう、冨岡さん。』
「今日入る新人の教育係をお願いしたいんだが…」
『え、私ですか?
しのぶさんや煉獄さんの方が適任だと思うのですが…』
「胡蝶も煉獄も今任せている仕事で手がいっぱいで出来ればそっちに専念して欲しいんだ。
それに東雲の仕事ぶりは他部署でも評判でな…
仕事内容は全然違うが営業部の宇髄、経理部の伊黒なんかがお前をくれくれ煩くて。」
『そ、そうなんですか…』
「今年異動した竈門も教育係ではなかったか東雲の教え方が丁寧で分かりやすかったと言っていた。
だからこそお前に頼みたい。いいか?」
『分かりました。頑張ります!』
〜朝礼にて〜
「今日からこのマーケティング企画部に入る新人だ。」
「時透無一郎です。
よろしくお願いします。」
一気に周りがざわざわしだす。
飛鳥はそんなことは気に留めず、コソコソと仕事を続けていた。
「ちょっと、飛鳥さん。
教育係任されたんでしょ?
いいの?話し聞いてなくて。」
『ごめん、しのぶちゃん!
私今こっちで忙しいから何か言ってたら代わりに聞いといてくれる?
それであとから教えて!』
「…まったく。
ほんと仕事人間なんだから。
大変そうな新人よ、ある意味ね。
あとからになってひーってなっても知らないからね?」
しのぶの忠告も耳に入らずパソコンに向かって仕事を続ける飛鳥。