第12章 光炎万丈(煉獄杏寿郎)*
「おーい、東雲〜!」
『あっ、天元さん!お久しぶりです!』
「お前相変わらず派手に美人だな!
調子はどうだ?元気か?」
『相変わらずお世辞が上手ですね〜
はい!引退したあともこうやってみんなが来てくれるから嬉しいし有難い限りです。
昨日は蜜璃ちゃんと伊黒くんがお団子持って来てくれたんですよ〜』
「それなら良かった!
引退しても東雲は大事な仲間だからな。
みんな同じ気持ちなんだろ!」
『ありがとうございます!』
天元は元気がない飛鳥の表情を見逃さなかった。
「東雲、何かあったか?」
『えっ?』
「さっきからずっと無理して笑ってるだろ。
ま、話したくなかったらいいんだけどな。」
『…誰にも言わないでほしんですけど、柱を引退してこの3ヶ月…
杏寿郎にずっと避けられてて…
話し掛けても素っ気ないし家に行ってもすぐ出掛けちゃって…』
「あ〜…その傷のこと気にしてるんじゃねぇか?
東雲、上弦の参との闘いのとき煉獄のこと庇って片目失明して傷も残っただろ?
あいつのことだ、多分ずっと気にしてると思うぜ。」
『そんな…
私は全然気にしてないのに…
それに鬼殺隊に入ったときからそんなこと覚悟してたのに…』
「東雲はそうでもな、あいつはそういう奴なんだよ。
昔からずっと一緒に育った幼馴染ならあいつのことよーく分かってるだろ?」
『………』
飛鳥は黙ってしまった。
確かに杏寿郎はそういう奴だ。
何事にも熱く、責任感が人の10倍以上強い。
飛鳥は杏寿郎の2つ年上で家も隣りで両親同士も仲が良かったため幼い頃から姉弟のように育ってきた。
どんなときも一緒だったから杏寿郎のことは嫌って程分かっている。