第1章 この気持ち (時透無一郎) *
「…大丈夫?」
心配そうに飛鳥の顔を覗き込む無一郎。
『んっ…大…丈夫…です。』
「ごめんね…初めてだったのに…
止められなかった…」
シュンっと仔犬のように小さくなる彼に飛鳥は
『ふふ…さっきまでの威勢は
どこにいったんですか…?』
そう優しく微笑むのであった。
『霞柱様…表情が全然変わらないから
何考えてるのか分からなくて…
でも…師範に凄く嫉妬してたんですね。』
「…今可愛いとか思ってるでしょ。
もう一回襲っちゃうよ?!」
『あ、すみませんっ…
ただ、嬉しかったので…
その、言うタイミングはちょっと
遅かったと思いますが
大好きな霞柱様に好きって言ってもらえて
本当に幸せなんです。
だから…ずっと私の隣にいてください。』
「僕も同じ気持ちだよ。
…ねぇ、僕のこと名前で呼んでよ。」
『…む…無一郎さんっ…。』
無一郎はふふふと笑い、
布団の中で飛鳥をギュっと抱きしめる。
「飛鳥…愛してるよ」
元気を取り戻した無一郎の雄は
再び飛鳥の中で暴れるのであった。
終