第10章 赤いキク(時透無一郎)*
「ねぇ、飛鳥。
いつになったら答え出してくれるの?」
『え、あ、あのっ…
ごめんなさい…!ま…まだ…』
「ふうん…」
無一郎の告白から2ヶ月ー…
飛鳥はまだ答えを出せずにいた。
自分なんかが彼と一緒にいてもいいのか…
頭の中で考えても考えてもなかなか答えが出ない。
『はぁ、、、』
「飛鳥さんどうした?
最近溜め息ばかりだけど…」
『あ、玄弥…』
「…時透さん?」
『…うん。
私のこと好いてくれてるみたいなんだけど…
本当に私なんかでいいのかなって…
なかなか彼の気持ちに応えられないんだよね…』
「うーん、でも俺は2人お似合いだと思うけどな」
『え?』
「時透さん若いけど落ち着いてて大人びてるというか…
たまに見せる子供っぽいところもまたいいと思うし…
飛鳥さんはもっと時透さんを頼ってもいいんじゃない?
多分飛鳥さんが思ってる以上に大人だよ、彼は。」
『………』