第9章 黄色いヒヤシンス(時透無一郎)
「ねぇ、飛鳥。
2年前…みんなのこと助けてくれて本当にありがとう!」
『ちょ、炭治郎まで何?
今日は蜜璃さんと伊黒さんの結婚式だよ?
私の話しなんてどうでもいいのに…』
「いや、みんな本当に感謝してたからさ!」
『でも…
完璧に助けることは出来なかったよ…
視力がなくなったり腕や指がなくなったり…
きっと縁壱さんならちゃんと助けられてたんだろうなって思う…
炭治郎とカナヲの片眼、時透くんの左手首…
失わせてごめんね…』
飛鳥はずっと苦しんでいた。
仲間を助けられたのはいいけど身体の一部を失った人が沢山いることをー
何度も自分を責めては自己嫌悪になっていた。
「…みんな飛鳥がそのことでずっと苦しんでること知ってるよ。
みんな飛鳥には感謝しかしてない。
飛鳥がいなかったら俺たちは死んでた…
だからもう苦しまなくていい。
本当にありがとう。」
「飛鳥が仲間のことを大切に想うのと同じように私たちもみんな飛鳥のことが大切なんだよ…」
炭治郎とカナヲの優しい言葉に飛鳥は涙を流す。