第8章 キレイナモノ(時透無一郎)*
(無一郎さんの背中、意外と広いんだな…
やっぱり落ち着く…)
飛鳥はキュっと無一郎の隊服を掴む。
「…どうしたの?」
『あっいや…
やっぱり無一郎さんと一緒にいると
落ち着くなあって…』
「…ねぇ、それってどういう意味?」
『え……?』
「いつもいつも落ち着くとかさぁ…
可愛い綺麗って言ったり
同性といる感じって言ったり
弟みたいって言ったり…
つまり飛鳥は僕のこと、
男として見てないよね?
全然気にしてないよね?」
『あ、あのっ無一郎さん…?』
淡々と話す無一郎。
飛鳥は少し恐怖を感じる。
ガラガラガラ…
「おかえりなさい、無一郎さ…」
「今夜は僕の部屋に近づかないで。」
「は、はいぃぃぃぃ…」
これでもかってドスの効いた声で隠に告げる無一郎。
ドサッ…
『きゃっ……!』
部屋に着くなり扉を閉めて荒々しく飛鳥を倒す。
『無一郎さん…!何す……!』