第7章 きっかけ(冨岡義勇)
「君、馬鹿だな。」
『なっ、、、!』
涙目の飛鳥。
「恋なんて綺麗なものばかりじゃない。
醜くてドロドロしたものも沢山ある。
自分の幸せより他人の幸せなんて思考、
俺には理解できない。」
『でも、私はっ……』
「幸せになるべきだよ、…飛鳥も。」
そう言って義勇は微笑む。
『…私の名前…覚えててくれたんですか?』
そんな義勇に飛鳥の胸は高鳴る。
「スマホ貸して。」
『???』
「…よし。はい。
俺のライン追加しておいたから
何かあったら連絡して。」
『え!あのっ……』
彼の行動に追いついていけない飛鳥は戸惑う。
そのとき…
「飛鳥!…と兄貴?
なんでこんなところにいるんだ?」
聞いたことのある声。その主の方を見ると…
『錆兎と真菰!え、兄貴って、、、
義勇さんもしかして……』
「俺の2つ上の兄貴だよ!
前に話したことあったよな??」
『う、うん…お兄さんがいるとは
聞いたことあるけど…』
チラッと義勇の方を見る飛鳥。
「合コンで知り合って、
人数合わせで無理矢理だったみたいで
困ってたから家に送ってたところだ。」