第7章 きっかけ(冨岡義勇)
『え…?』
「無理に話さなくてもいい。
ただ、もしその胸のうちを言える相手が
いないようなら
俺にいろいろ言ってくれればいい。
愚痴でも悩みでもなんでも聞く。」
(初対面…だけどこの人になら
話してもいい気がする…)
「なんてな。
やっぱり初対面だと無理か。」
『…実は、中学の頃から片思いしてた
相手がいました。
彼は私の唯一の男友達でもありました。
でもその彼は私の親友のことが好きで。
しかも2人は両思い…
2人は喧嘩ばかりですれ違ってばかりで
だから私が間を取り持ったんです。
そしたら無事に付き合うことができて。
大切な親友と男友達の幸せ…
喜びたいのに素直に喜べない自分が
本当に嫌で、憎くて…』
「つまり、好きな奴と親友のために
2人の背中を押したと?」
『…そうなりますね…』