第6章 傷口に砂糖を(伊黒小芭内)*
「…かなり無理させてしまったな。」
隣で寝ている飛鳥の頭をポンポンする小芭内。
「飛鳥…俺はお前のことが…」
『…先輩…』
「?お前…起きてたのか…」
『先輩やっと私の名前呼んでくれましたね…
私、ずっと不安でした。
名前も呼んでくれない、手も繋がない、
キスもしない、もちろんその先も…
笑顔も見せてくれない、
"好き"も言ってくれないし
代わりの愛情表現もない…
本当に辛かったです…』
「…悪かった。」
『それなのに別れないとか
ほんと意味不明だったし
義勇のことも勘違いしてるし
…無理矢理するし、、、
痛かったんですからねっ…』
「すまん……」
小芭内は本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
初めてだったから、優しくしたかった…
でも理性がぶっ飛んで一方的になってしまった。
これでは嫌われても仕方ないーそう思っていた。
『でも…乱暴だったけど…
どこか優しかった…
先輩の余裕のない表情…
凄く色っぽかったです…』
そう言ってかああと顔を真っ赤にさせる飛鳥。
「…馬鹿。そんな顔するな。
また襲うぞ。」
『先輩となら…またしたいです…』
「……っ」
『より一層先輩のこと
好きになっちゃいました…
これからもずっと一緒に
いてくれますか、、、?』