第51章 空に舞うは桃色の雪
ざ、とどこに隠れていたのかチョッパーがルフィ達の前に姿を現す。
その姿を見つけルフィがトナカイ!と顔を明るくさせた。
「ほら、来たじゃねェか」
「…違うんだ」
ルフィに答えるチョッパーの声は暗い。
「俺、お礼を言いに来たんだ」
チョッパーは語る。
ワポルを倒してくれたこと。
仲間と誘ってくれて嬉しかったこと。
けれど、トナカイであるという事実、ニンゲンから迫害を受けた過去がどうしても一歩踏み出す邪魔をする。
心の傷は、簡単には治らない。
それは、水琴もよく知っていることだ。
「俺はこの島に残るけど。いつかまた、気が向いたら……」
「うるせえ!!行こう!!」
しかし、だからこそ。
ただ、単純な言葉が最も心に響くこともまた、水琴は知っていた。
ルフィの、力強い一言にチョッパーの目が潤む。
「……おぉ!!」