第50章 存在の定義
あくまでもドクターの言いつけを守ろうとするチョッパーにDr.くれはが怒鳴るがそれでもチョッパーから迷いは消えない。
その隙を逃さず、ワポルは再び展開した大砲をチョッパーへと向けた。
至近距離で爆発した弾がチョッパーの身体を地に叩き付ける。
「!!」
「まはははは!カバめ!このおれに出ていけだと?!出ていくのは貴様らだ!」
トドメとばかりにワポルは二発目の大砲を向ける。
「おい邪魔口!!」
「あァん……?」
頭上から聞こえたルフィの声にワポルは訝しげに視線を上へと向ける。
気が付けばルフィは先ほど海賊旗がはためいていた城の先端へ立っていた。
その手には落ちたはずの海賊旗が握られており、折れた根元は破ったコートの袖で固定されている。
「__”ウソッパチ”で、命も賭けずに海賊やってたお前らは、この海賊旗の意味を知らねェんだ!」
「その旗の意味だと?まっはっはっはぁ!!そんな海賊どものアホな飾りに意味なんぞあるか!」
「だからお前はヘナチョコなんだ」
笑い飛ばすワポルに、ルフィは厳しい目を向ける。
「これは、お前なんかが冗談で振りかざしていい旗じゃないんだ」
「カバめっ!冗談でなきゃ王様のこのおれが海賊旗など掲げるか!その目障りな旗をいちいち立て直すんじゃねェよ!」
チョッパーへ向けていた大砲をワポルはルフィへと向け直した。
仄暗い穴がルフィを狙う。
「ここはおれ様の国だと言ったハズだァ!何度でも折ってやるぞそんなカバ旗など!!」
砲撃がルフィを襲う。
「くっ…また…!」
「避けろ危ない!」
サンジとチョッパーの声にもルフィは動かない。
迫る砲弾を睨みつけ、旗と共に真っ向から向かい合う。
「……お前なんかに折れるもんか。ドクロのマークは……
__”信念”の、象徴なんだぞ!!」
爆発音が轟く。
煙の先に、はためく黒が見えた。