第1章 闇の鍵と無の組織
俺は今、新たな問題に直面している。
「まじかよ……。あいつ、確か機関員の偽物じゃん。それになんか他にもいっぱいいるし」
こんなボロい建物なんかに絶対に人はいない。
そう確信してここを当分の宿替わりにしようと思っていたのに。
今日はどうやら相当ついていないようだ。
しかし人がいないにしては、中は外と違って随分と綺麗ではあった。
「んー、どうしよ。ここの奴らに見つかったら怒られるどころじゃ済まないだろうしなぁ」
俺たちは本来存在してはならない、とされている。
それ故か、それぞれの世界に生きる者達に姿を晒さないようにと言われているのだ。
「ダスクにだけはなりたくねぇ!」
頭を掻きむしり、どうにもできないでいるとその時は訪れた。
「さっきからそこにいるのは分かってるんだ、XIII機関」
うわ〜、終わった。