第14章 貴方の熱 《主人公目線》
わたし達は、マンションの駐車場に着くと、自然と手を繋いで、エレベーターまで歩いた。
「ウサちゃん、俺達、こんなに、ボロボロだったんだね」
津軽さんが、明るいエレベーターの中で、鏡に写った泥や汗や、油なんかで汚れた、自分のボロボロのスーツと、まだ、信者用の汚れてボロボロになったジャージ姿の、わたしを見て苦笑した。
津軽さんは、わたしの部屋の階と、自分の部屋の階のボタンを押した。
「ウサちゃん、悪かった。今日は、自分の部屋でゆっくり疲れ取って。明日からも、また、忙しいから」
と言って、わたしを、愛おしそうに見つめて、わたしの額に優しくキスを落とした。
エレベーターが、わたしの部屋の階で、止まった。
「じゃあ、明日ね」
津軽さんは、エレベーターのボタンを押して、わたしが降りるのを、待っている。
「津軽さんと........、いたいです」
わたしの口から、言葉が落ちる。
「え?」
「わたし、津軽さんと一緒にいたいです」
「ウサちゃん.......」
「津軽さんと、一緒にいたら駄目ですか?」
「ウサちゃん、ごめん、今日は止めておこう。君に優しく出来る自信がない」
「それでも、津軽さんと一緒にいたいです」
「瑠璃子......」