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手のひらの虹 【恋人は公安刑事】津軽高臣編

第6章 思い出の公園 〈主人公目線〉


「公園を散歩する前にお弁当を食べよう」

津軽さんは、そう言ってもわたしの手を引き、大きな木の下の
木陰にあるベンチまで来た。

「ここが良さそうだね。ウサちゃん」

そう言って、わたしが座ろうとすると、自分のハンカチを取り出して敷いてくれた。

わたしは、お弁当とお茶の入った魔法瓶を、わたしと津軽さんの間に置いて、バックに入れて置いた、紙皿と割り箸を取り出して、津軽さんに渡した。

「ありがとう。ウサちゃん」

津軽さんは、割り箸を割ると、直ぐに、唐揚げを自分の皿に乗せた。マイスパイスをかけずに津軽さんは、もくもくとお弁当を食べている。

わたしは、正直胸がいっぱいで空腹を感じない。でも、津軽さんに心配をかけない様に、お弁当をゆっくり食べていた。

「ウサちゃん、君のお弁当美味しいよ。七味唐辛子もタバスコも要らない。ウサちゃんが一生懸命作ってくれたからだろうね」

「津軽さんに褒められるのは、微妙な感じです」

って、わたしが笑いながら言うと、

「反・抗・期・う・さ・ち・ゃ・ん」

そう言って、わたしの鼻をまた摘んだ。

「いひゃいです!」

何時ものわたしと津軽さんだった。

お弁当を食べ終わって、わたしが空のお弁当箱をバックの中に入れてお弁当の後片付けを終わらせると、津軽さんの右手がわたしの頬を優しく撫でた。

「ウサちゃん、俺の傍にもっと寄って」

わたしが、津軽さんの傍に寄ると、わたしの頬を両手で優しく挟んで、津軽さんの方に顔を向けさせられた。
津軽さんが、言った。

「最後のキスしていい?」

わたしが、頷いて目を瞑ると、柔らかな暖かい津軽さんの唇が、わたしの唇に何度か啄む様に落とされた。
そして、津軽さんは、わたしをぎゅっと抱き締めて、わたしの耳元で囁いた。

「瑠璃子、好きだよ。本当に」

そして、また、わたしの頬を大事そうに、両手で挟んで、何度も何度も啄む様な優しいキスをわたしに落とす。
そして、最後に津軽さんは、しばらく、わたしの唇を指先でなぞった後に、もう一度わたしに優しいキスをした。

マンションの通路でした様なキスでも、観覧車でしたキスとも全く違うキス。

津軽さんが、わたしを大切で、愛しいと感じてくれてるのが、分かる様なキス。






(津軽さん、こんなキスをされると、もっとあなたと別れづらくなります!)




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