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手のひらの虹 【恋人は公安刑事】津軽高臣編

第5章 思い出の公園へ〈主人公目線・津軽目線〉


「ねぇ、ウサちゃん、ここでキスする。良いよね?」

俺は、ウサの返事も聞かず、ウサをギュッと抱きしめて、逃げようとするウサの後頭部を押さえて強引に、ウサの唇を貪った。尚も、逃げようとするウサを、きつく腕で押さえ込んで、自分でも、乱暴な事をしてる自覚はあった。
けれども、俺の脳裏に、昨日の女との深い行為が蘇って来る事から逃げたかった。
強引に舌を割り込ませて、ウサの柔らかな舌を絡めとった。
最初は、俺を受付けようとしなかった、ウサが、俺の貪りに応えてくれ始めた。

ウサが応えてくれた事が、俺の中の暴力性を押さえ込んでくれた。
こんな形で 恋人としての初めてのキスをしてしまった俺は、今度はウサに酷く悪い事をしている事に大きな罪悪感を感じた。
だけども、もう一方では、俺の貪りに、応えてくれているウサが愛おしくて仕方なくなった。

ウサの方にも、熱が灯った様で、キスの息継ぎの合間に零れるウサの吐息には、初々しいものの、女の色気が溢れている。
ウサは、何時でも俺をどん底から引き上げてくれる。

俺は、腕の中にいるウサが、やっと壊れ易い大事な自分の女なのだと感じる事が出来た。
俺は、優しく啄む様なキスを何度かウサの唇に落として、俺にしがみついてる可愛い俺の瑠璃子、そう、今は俺だけの女として存在してくれている可愛い女の鼻をギュッと摘んで笑いながら言った。


「ウサちゃんのエッチ」

「ろっひがーーーーー!」

ウサは、真っ赤な顔で文句を言いながら、俺の胸をポカポカ叩いた。
腕の中のウサが、こんな俺でも受け止めてくれた事が酷く嬉しかった。


「ウサちゃん、興奮して、鼻水出てるよ、舐めてあげようか?」

!!!

ウサは真っ赤な顔を更に、真っ赤にして、あたふたと自分のバックをまさぐっている。

俺は、ズボンのポケットに入れたハンカチをウサに、笑いながら、渡した。
ウサは、それを受け取ると自分の鼻の下をゴシゴシとふいて、鼻の頭を真っ赤にさせている。
俺は、何時もの余裕をやっと取り戻して言った。

「ウサちゃんの鼻の頭が真っ赤になって、本当のウサギさんみたいだよ。飛びながら歩いてよ」

「誰のせいで!!」

ウサは、怒った顔をして、ぷいっと横を向いて俺を置いて、スタスタ歩いて行く。


「瑠璃子俺の女でしょ?待って」

先を歩くウサに俺は、こんな言葉を投げ掛けていた。
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