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ハニームーンの秘め事【赤髪の白雪姫】

第2章 ~宮廷薬剤師見習い~




それからついに宮廷薬剤師の試験の日がやってきた。白雪から聞くに城で割と濃い出来事が起こっていたらしいが、私はいつもと変わらず薬草のことを改めて調べてみたりと復讐をしていたらあっという間に試験の日になっていた。



「白雪が一緒に来てくれて助かったよ。会場までの道が少し不安だったから」

「ううん。私、玲葉さんと一緒に試験を受けられるの嬉しい!」

「!…私も」



二人で顔を見合わせて笑った。途中、白雪は試験の集合時間まで時間があるからと各自、城の散策に出かけたらゼンに会えたと嬉しそうに報告してくれたものだから思わず笑ってしまった。



「?……玲葉さん?」

「何でもない。白雪はゼンのこと好きなんだなぁって」


「す、好き?!」


ぎょっとしたように私の顔を見るが、逆に違うのかと私は聞きたい。


「だって白雪、ゼンの話をするとき凄く優しく笑ってる」

「そ、それは友達に会えて嬉しいからで」


「ふ~~ん?」



ニヤニヤと白雪を見ると顔を赤らめてほんとに友達なんだよって言い返してくるが、正直説得力がない。
でも、実際本当のことだ。もちろん、ゼンの側近だっていう人の話もしてくれるが、ゼンのことを話しているときの白雪は幸せそうで優しい表情をしている。
白雪をからかいながらもしばらく談笑していると部屋に女性が入ってくる。



「薬室長のガラクです。よろしく」



あの人がウィスタル城の薬室長のガラクさんか。薬学の研究者たちは彼女に自分の研究結果を見てもらいたくて、こぞって集まってくるんだとか。


「審査では宮廷薬剤師見習いでの主な仕事となる。薬草園、薬草庫の管理能力をみます。城内での小薬草園のいずれかを一人で担当し、園内の環境、薬草管理、防衛。二日後視察が入り、そのあと記録書提出。
以上。詳細は書類を見て行うように」


それからは白雪とは一旦離れて試験を行うことになった。小薬草園といっても薬学が優れている城の薬草園だ。全然小という規模ではない。


それにしてもこの試験、ただの薬草園の管理じゃないね。環境を記した紙をぺらりとめくる。ここにある薬草の名前を一つ一つ確認してそれぞれの環境に適した環境下にあるのかを調べていけばすぐに答えは出た。



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