第12章 点と線
『行ってくる。を頼む。』
『御武運を。』
『何かあればすぐに三成に言えよ?』
『はい。』
『帰ったら旨いもの食わしてやるからな。』
『様とお待ちしています。』
三人はに視線を向け微笑むと、城門へ向かった。
※
颯爽と三人が愛馬に跨がる。
『三成、あとを頼む。』
『はい、お任せを。』
『家康、を任せた。佐助、警護頼む。』
『はい。』
『お気をつけて。』
秀吉と政宗が、家康と佐助に声をかけた。
『あれ、家康公。光秀公は?』
『もう先に行ってる。』
『流石ですね。』
『皆、此度は、命をかけるような戦ではない。
必ず皆で戻る!よいな。』
『おう!』
信長の一言を合図に、三隊は勢い良く動き出した。
残る三人は、最後の一兵の後ろ姿が見えなくなるまで、見送ると踵を返す。
『…へんな居残り。』
『なんだか不思議ですね。』
『三成。』
『はい。なんでしょう、家康様。』
『癪だけどさ、あんたが城守を任せられてる。頼むよ。俺は補佐はするけど、で手一杯。』
『畏まりました。』
『家康公が三成公の補佐が出来るように、俺も頑張ります。』
『ま、俺達も正念場だ。やるならしっかり勤め上げるまで。』
家康は、誰よりも先に城へ戻る。
『お待ちください!』
二人はその姿を追いかけた。