第8章 私の誇り
「うん。じゃあ、お迎えに行く時にこの甘味を作ろう!」
『帰りの道中でなんか食べてくるかもよ?
戻ってきてゆっくり皆で食べたらいいんじゃない?』
『土産話と一緒にか?』
「…そうだね。お迎えまでに間に合うように作れそうもないし。」
『また、手伝ってやるよ。』
「政宗、ありがとう。」
『ところで、摘んだ花は?』
「ちゃんと日陰に干して乾燥させてる。綺麗な花束になればいいけど。」
『楽しみだね。』
「うん。」
『旨かった!』
「良かったぁ。咲は?」
『はい、美味しく頂きました。ご馳走さまでした。』
「良かった。咲には助けて貰ってばかりだから、お礼がしたかったんだ。」
『頂けるなんて思っておりませんでした。嬉しかったですよ。』
…本当に。嬉しかったです。
『それに、私は様をお世話させていただくのが勤めです。礼など畏れ多い事です。』
『ふっ、咲。の女中頭の勤めは大変だろう?』
「政宗。それ、どういう意味?」
『そのまんまでしょ? こんなにお転婆なんだからさ。』
「家康…、酷い。」
『…そうですね。お転婆が過ぎるところは困りますね。こんな姫様は何処を探しても見付からないでしょう。』
「…さ、咲!」
『ふふっ。でも申しましたでしょう?
野花も椿も同じように愛で、何にも縛られないお考えの
様が誇らしいと。
信長様と同じ先の世を見ておられる。安土の奥方は様以外に考えられませぬ。』
『咲は、をよく見てるよな。』
『。あんた、咲みたいな女中頭がついて幸せだね。』
「…うん。
勿体ないくらいの人。咲がいたら安心するの。
なんだか、私のお母さんみたい。」
『あんたの母親、秀吉さんじゃなかったの?』
「秀吉さんは、…なんなんだろ?」
『それ、秀吉聞いたら落ち込まないか?』
「落ち込むかも! ふふっ。」
様は、天真爛漫で。
安土の太陽、という言葉がぴったりだと思いました。
様が笑えば、皆が釣られるように穏やかに暖かくなるのです。
この御方は、何処から来たのでしょうか?
かぐや姫の様に突然消えてしまう、なんて考えすぎですよね?
ねぇ、様。
どんな事があっても
永遠にお側に