第4章 大魔お..法使いナタリン☆
バダアアアアアアアンッッ!!
「ッッッッッ!!はァッ.....ッは…っハァッッッ!‥、ッハアっ、はあはっ…ハ
アッ、ハアッ…!!」
影が永遠に続く真白い階段を、ろくに息もせずに駆け上がった。
最後の段で油断し、踊り場の上に転んでしまった。そして、痛さより、その音にまともに驚愕すーーー。
後ろに誰か、いないか…、い、今の音…で、ガッッッッ!!!といきなりナニかに足を掴まれて、引きずり落とされないだろうか……と何もかもが怖い。己の要らない想像力に、悲しくなって腹が立つが、全部、暗闇にそれらの感情を持っていかれる…。
手は小刻みに、ずっと揺れていた。冷た…。冷たいのは指なのか気温なのかそれともどちらでもない何かなのかは分からない。
「………….....................う、..っ」
その声を絞り出すのにも、大分勇気が要った。そんな世にも恐ろしげな想像はするのに、う、動けない…。白い、何かの模様が描かれた床に、ジワジワと体温は奪われてゆく。
ーーーその恐怖がある程度引くまで、立ち上がれなかった‥。
ふんッッッ!!!と、また何も考えずに立ち上がる!もう何か力を踏ん張らないと、動けない体なのだ。
倒れるようにドアノブに手をかけてから、私は思った。
ーーーこれ、もう、 ダメ じゃない…?
心は慣れずとも目が暗闇に慣れて、ぼおおっと、豪華な内装が浮かび上がり、一瞬、ここはお化け屋敷かなんかなのかと錯覚した。
ーーーだって…私、全然謎なんか分かんない…ほらもう、あの人を見つけられなかったら、ずっと、私、私………
その瞬間、私は闇の中だった。
部屋を一応開けてみるけど…あの人はいないしこの近くにいる気配すらしない。次のドアも、次のドアも、次のどあ….......................。
あの紫の髪の人がいない、どれも全く同じ部屋にしか見えなかった。
ーーーッッ、いや、部屋に行って、…幸運にもあの人がいる部屋を見つけても、
確か、『良いニュースがある。』って言っていたからお‥恐らくはそれで”ゲー
ム”は終わりじゃない‥いやでも大丈夫!!!
と、ビュウウ、と背後から冷たい風が吹いた気がするが、必死で知らないフリして自分を勇気付ける。