第3章 まさかの疑惑
プルルルッと誰かの携帯が鳴った。しかし誰もケータイを持とうとしない。
「オイ、誰かの携帯鳴ってるぞ」
葉太郎くんがそう言うと、スウさんは箸を置いた。
あっ、スウさんのかー。スウさんはポケットに入ったケータイを取り出し、立ち上がりながらもしもし、と言った。そして部屋のドアに向かって歩いた。
「...いや...今日もこっちに泊まる...。....怒らないで....あの女の子と一緒の部屋で寝たりしてないから....」
!?
そのままスウさんはドアをガチャンと閉めた。 まだ何か話しているようだ。
えっ、スウさん..
「いつも喋るの遅い割に、自分の彼女と話す時は流暢になるんだね。」
「えっ!?」
声のした後を振り返った。いつのまにか私のバックを取っていた菜太郎がふぅん、と言うように目を細めた。
「あれスウの彼女なのか。」
葉太郎くんもふぅん。という感じ。えっ。
「えっ、でも電話相手が彼女ってまだ決まってないですよ..」
まあ、スウさん程の神美男子放っておく女子はいないと思うけど、と言おうとしたら、
「でも会話の内容的にそうっぽいね!」
エエッ!?!?
何故か隼人さんがとても嬉しそうにニコニコ笑っている。
(あの電話確実に彼女さんっぽいし、彼女さんいるなら、鈴ちゃんのことは狙うわけないよな..。良かった!)
「えっ、くくさんはどう思いますか、、ってもういない!」
「くくはくくのお気に入りの女達のところにさっき行った。」
「エッ、そうなの!?」
菜太郎の方をズィッと見た。菜太郎は私からイヤそうに視線を外し、ヌイグルミをサッと隠した。
いや取らないし、、と思ったら、
「あんたどうしてそんな事気にかけるの?」
えっ。あ..
菜太郎が何か勘付いたようだ。
「いや、、なんでだろ、、」
なんだろ、ちょっと心が悪い感じにザワザワしてる感じ。
「..鈴ちゃんはスウに彼女がいるかどうか気になるの?」
隼人さんは私の方に歩み寄ってきた。