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ラブヴァンプ-Another Story-

第1章 Another Story


「え」


ぐい、と。
両手を頬へと伸ばし、引き寄せられて。
気付いた時には凛の唇が俺のそれにくっついていた。


「………っ」



しかも舌まで、絡めてくる。
こんなに積極的な凛は初めてで、凛の両手が首へと回ったことを体が認識すると。
隙間などないくらいに凛をぎゅー、と抱き締めた。





「………こっち」




さすがに外はまずい。
人が来ない、とはいえ絶対ではない。
万が一でも億が一でも他のやつに凛のかわいい声が漏れた、なんてことになれば一大事だ。
絶対に凛のあんなかわいい声を自分以外の誰にも聞かせるわけにはいかない。



「体育、倉庫?」
「ここなら鍵掛かるし、日射し避けにもなるでしょ?」


なんてのはもちろん、建前ってやつ。


「あれ?」


薄暗いせいかな?
さっきつけた噛みあと、消えてない?


「……さっき一瞬、力使ったから」
「さっき?」

ああ、紅い目。

「噛みあとは、表皮以上に残る傷だから、治る」
「そうなの?」


「…………キス、マーク、なら」


『大丈夫、かも』。
なんて、消えちゃいそうな小さい声で顔真っ赤にして言われちゃったら、さ?
男ならもう、限界を超えちゃうわ。
ほんとに。


「試してみる?」
「………っ」



その表情(かお)は、もちろんイエスってことでいいんだよね?
ガチャン、と内側から鍵をかけて。
顔を真っ赤に俯いてる凛の首筋へと、唇を寄せる。


「……ん…ッ」


チュウ、と吸い付けば。
可愛く反応しちゃう凛が好きで仕方ない。


「……つい、た?」
「んー、まだ」
「………」


なんて。
ほんとはもう3つくらいつけちゃってるけど。


「…………っ、も、絶対嘘!!」
「うん、もうとっくについてる」


真っ赤な顔をさらに真っ赤にして。
口をぱくぱくさせる凛の、唇を奪って。
躊躇する舌を引っ張り出して絡め、吸い上げ、口の中に舌を這わす。
しがみつくように、凛の両手がぎゅう、と両頬を固定する俺の腕を握り。
少しだけ目を開ければ。
必死で応えようとする凛の表情が、うつりこむ。
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