第5章 境界線
時は夜を迎え、闇に巣くう物たちが動きだす。
武神である神流は妖退治へと普段なら向かうのだが、タイミング悪く携帯が鳴った。
「夜卜。何か用でございますか。」
しかし聞こえてくるのは何故か泣き声で必死に何か訴えているも聞き取れず、唯一理解できた単語は、雪音、ひより、家。
神流がため息をつくと周りの神器達が何事かと集まってきた。
「依頼ですか?」
「今日もはりきってこー!」
「どうぜ夜卜だろ。」
「紫黒正解。神器絡みは、貴方達に頼るしかないから…」
神流はつくづく思う。こんな頼もしい神器をこんなにも従えることができることに感謝の念を尽くしてもつくしきれないと。