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《イケメン戦国》散りゆく惡の華 ー毛利元就ー

第12章 芽生えた感情





寝入って静かになった未来からは、小さな寝息が聞こえてくる


「自分を奴隷扱いして、散々なこと言われた相手に呑気に礼かよ…」


安土に戻ってきた日、雨宿りをした時に元就が未来の手を振り払ったせいで手にできたかすり傷が目に入った


信長を討つための手駒ではあるが、未来を物理的に傷つけたかったわけではない


「当初の予定を見誤るなよ…」


元就は小さくつぶやいた


今はまだ信長打倒の準備を水面下で整えている段階の為、元就と帰蝶は目立つ行動は避けている


それ故に元就は監視の為、四六時中未来の側にいた


たったそれだけで未来へ情が移ったわけではないが、奴隷にしてからのこの数日間で未来に興味をそそられたのは事実だ


気骨があると思えば呑気だったり、警戒心が強いかと思えば無防備に寝顔を簡単に晒す


跳ねっ返りのじゃじゃ馬かと思えば、したたかに元就に食らいつこうとしたり


元就の前ではいつも仏頂面な未来が、信長や家康たちには笑顔を振りまくことに面白くないとさえ感じてきている


離れたところから未来の寝顔を眺め、ため息を一つ吐いた


「はっ…。奴隷相手に、か…」


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