第2章 姫君
「秀吉様が政宗様とお会いしたっていうことは、まだ城内にいるかな」
「何一人でぶつぶつ言ってるのさ」
「あ、家康様。いらっしゃってたんですね」
廊下をキョロキョロと歩いていると徳川家康とでくわした
「信長様に呼ばれて。それよりなに城内できょろきょろしてんの」
「政宗様を探しているところで」
「ああ、今ここの料理方と台所でなんか話し込んでたのを見かけたよ。まだ居るんじゃない?」
「ありがとうございます、家康様。早速行ってみます」
「ああ、その前にこれ。未来に渡して欲しいって酒井から」
政宗の元へ向かおうとする未来を呼び止める家康
「酒井様から?…わあ、これって貴重な薬草ですよね!こんなにたくさん…頂いて良いんですか?」
酒井とは、家康に仕えている家臣の一人で、家康に薬学を教えてもらいに御殿に伺う際、未来にとても良くしてくれる
「しばらく俺の時間が取れないし、それで何か作ってみなよ」
「ありがとうございます!頑張ってみます」
有名武将たちとこんな穏やかな日々が過ごせるとは、三ヶ月前は思いもしなかった
でもここは戦国乱世
なにも出来ない未来は、知識だけは勉強しようと薬学などを家康から教わっている
そして、少しでもこの平和な日々が続いて欲しいと思わない日はなかった