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《イケメン戦国》散りゆく惡の華 ー毛利元就ー

第5章 毛利元就





(今何時頃だろう。夜中くらいかな…)


未来は異国の豪華客船から元就の船へ移ることになった


「ここがお前の部屋だ。あんま船ん中うろちょろするんじゃねェぞ」


(…あれ、普通の部屋?)


元就の船へ移ると、未来には一部屋与えられた


(牢屋とかに入れられると思ってたけど…)


その部屋にはベッドやテーブル、椅子など西洋の家具が備え付けられている


「何かご不満ですか、お姫さん」


部屋に入らず廊下から部屋を眺めてそんなことを考えていると、元就から面倒そうに声がかかった


「い、いえ…」


キョロキョロと部屋の中をうかがいながら部屋に入ると、元就も一緒に部屋へ入り椅子に座った


「まァそんな顔するな。織田家のお姫さんにしてみれば簡素な部屋かもしんねェけど、こっちとしては高待遇で迎えてるつもりだぜ」


(あ…、さっき私がなかなかこの部屋に入らないから不満を持ってると思われたのかな)


元就の方へ振り返ると、さっきまでより表情が和らいでいるように見える


自分の船に戻ってきたからだろうか


「それは…私が信長様を討つための駒だからですか?」


「飲み込みが早ェのは嫌いじゃない」


「…それはどうも」


今日一日色々あったせいで、なんだか反論する気力も無くなってきた


「あなたはここに私といて良いんですか?秀吉様たちと別行動なんて、あなたが怪しまれる可能性もあるんじゃないんですか?」


未来は疑問を投げかけた


「なんだ、俺の心配してくれてんのか?」


「まさか」


茶化されると思った未来は元就に背を向けた


「そんな心配なら必要ねェ。お姫さんが姿を消した時、俺は秀吉たちと一緒だった。俺たちが宿に着くと、部屋の外で待機してた護衛はぐうすか寝ていて、肝心のお姫さんは行方知れず」


「仲間に私をさらわせて…」


元就へまた振り向き不満を露わにしようとすると、元就はそれを遮るようにテーブルに鍵を置いた


「それで、お前はずっとそのまま両腕縛られたままでいいのか?」


「…手錠、外してくれるんですか?」


「お前次第だな」


元就は口角を上げ、眼光が鋭く光る


「またそれですか…」





「お前、俺の許嫁になれ」




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