第5章 毛利元就
「……っ」
(頭が割れるほど痛い…っ。なに…っ)
「…気がつかれましたか?」
(……誰?どこかで聞いたことがある声…)
頭の痛みに堪えて目を開けると、薄暗くてカビ臭い匂いが漂う部屋に未来はいた
目の前には、椅子に座る松寿丸が脚を組み不敵な笑みで未来を見ている
その後ろには武装している人が数名立ち並んでいる
まだ覚めきらない頭だったが、目を疑うその光景を目にしても未来は何故かとても冷静でいれた
「……どういう事ですか」
「へェ、こんな状況でも泣き喚かねェのは良い度胸だな、気に入ったぜェ」
松寿丸へ感じでいた妙な違和感の正体が分かり、未来はただ納得していただけだった
(やっぱりこの人はただの商人なんかじゃない…)
前で縛られている両手をギュッと握りしめる
「回りくどいのは好きじゃねェから教えてやるよ。俺の本当の名は、毛利元就だ」
「……っ⁉︎」