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《イケメン戦国》散りゆく惡の華 ー毛利元就ー

第16章 垣間見える優しさ


結局、商館で元就たちの話が終わるまで未来は別室で待ちぼうけを食らっていた


(何もしないでぼんやり過ごすなんて、なんか本当に人質で奴隷らしくなってきたかも)


行き交う人々を窓から眺めながら、未来は一人自虐的なことを考えていた


「大人しくご主人様の帰りを待ってるたァ、ますます奴隷らしくなってきたな」


元就が長い廊下を歩いて未来の方へ戻ってきた


「私もそう思ってたところです。お話、終わったんですか?」


「ああ」


(まだ陽が高いけど、用事が終わったのならもう船に戻るのかな)


商館を出て船が停泊している港に向かおうとすると、後ろから声が飛んできた


「おい、どこ行くんだよ」


「え?もう船に戻るんじゃないんですか?」


「今日はやけに従順なんだな。いつもこれくらいなら可愛げもあるのにな」


口角を上げにやりとする


「…用事終わったんじゃないんですか?」


「まあいいからついて来い」


少しご機嫌そうな元就は、港と反対方向へ向かう元就


いそいそと未来もその後ろを追う
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