第3章 1日目 ―宴―
一見普通の女の子に見える神楽でも、実際は数々の死線を潜り抜けた戦士。
それも正面から正々堂々戦うわけではなく、
陰でこっそりと動く暗躍者だ。
そういう職を、人は『暗殺者』と呼ぶ。
(全部聞こえてるっつの、馬鹿な奴ら)
自分が間者だと知る由もない武士達に、
神楽は心の中で煽ることしかしなかった。
まあ、時が経てば、しっかり反撃できる。
今はまだ、我慢するべき時だ。
だが、その『我慢』が、いつまで持ちこたえられるかは、本人でさえも分からなかった。
夢にまで見た、この機会。
失敗して終わらせる訳にはいかない。
主君のためにも─── " 家族 " のためにも。