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まるで夢みたいな話【ツイステ】

第2章 *雨が強かった日【イデア・シュラウド】




その快感から逃げるように必死に体をよじれば、服の裾が捲れ上がる。でもそんなことに気付かず、私は必死で触られる胸元を隠した。


「そんな声出してるくせに逃げるんですな、ユウ氏。往生際が悪いですぞ、」

「…っ、だって、だって私、先輩に好きって言ってもらってない…!!!」


先輩の話している声をかき消し、先輩の目をしっかりと見つめた。そう、まだ一度も好きだと言ってもらえてない。このまま快感に身を任せてしまえばきっと、なあなあな関係になってしまう。

もちろん、そんなことは絶対ごめんだ。
私は先輩に好きって言ってもらって、ちゃんと抱いてもらいたい。



すると先輩は、順番間違えた、ついやってしまったこれだから童貞インキャは…などど自虐に走り出した。ああ、いつもの先輩だ。
なんだか少し安心してしまった。


先輩は私の腰に手を回して、私を起こし先輩の膝の上に座らせた。ぐっと回された手が力強くて、一体なにで引きこもりの先輩は鍛えているのだろうかと不思議に思う。

そのまま私の体は先輩に寄せられ、ちゅ、と軽くキスをされた。



「…す、好きだよユウ氏。ごめん、なんか色々と逆になっちゃって…」


少しだけ頬を赤くしてフワッと優しく笑う先輩の顔がすぐ至近距離にあって、私の心臓は止まりかけた、気がした。
こういう時に限っていつもの悪者スマイルじゃないから困るのだ。

はあ、先輩ってやつはどこまでもずるい。



「私も好きです、大好きですイデア先輩…」

「デュフ、こ、これでもう好きにしていいわけですな?」

「…ん???」



今の甘い雰囲気は一体どうしたのだろうか。幸せな気分でやっと両思いになれた、なんて思いきや目の前にはまた悪者スマイルの先輩が。




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