第2章 ららら 2
「……おまえはほんとに……」
智は、はぁっとため息をついた。
そして、仕方なさそうに眉を下げて、肩をすくめた。
「……俺を好きなんだな」
「……そうだよ。智が好き。一番好き」
言って、俺は手にしたプリンの瓶の、少しだけ残ってた中身をさらさらっと口にいれた。
智が、おい!と目を丸くしたのと同時に、俺は片手で強く智を引き寄せて、そのまま口づけた。
とろけたプリンを口移しで押し込んでやると、智は少しだけ苦しそうに眉をしかめたのち、大きく口を開けて俺の舌ごと招き入れ、うっとりとした目になった。
「ん……はぁ……あま」
「あまい……ね……ん」
そのまま舌を絡めあって。
崩れそうな智の腰を抱く。
智は、俺にぎゅっとしがみついて、くすっと笑った。
「……心配しすぎだよ……俺だっておまえがいつでも一番だ」
「……うん」
「俺は……おまえのもんだから」
「……うん」
たったその一言で救われる。
嫉妬深い俺の操縦を、この人はほんとに心得てる。
「おまえも俺のものだかんな」
「……うん」
柔らかな髪の毛に顎をのせ、そのまま頭に頬擦りした。
彼の温もりといい匂いに、心が凪いでゆく。
結局……俺はこの人にはかなわないんだよなぁ……。
fin.