第8章 Good!!
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櫻井さんのファイルには、朝食は作らないでよいとある。
和也は、いつも食べないらしい。
紅茶だけ飲んでいくからほっておいてよい、とのことだ。
なるほど、冷蔵庫にある山のような無糖紅茶のペットボトルは、あいつのためのものだったんだな、と納得した。
今朝、制服姿で、冷蔵庫から何かをとった姿を見かけたから、きっとそれなのだろう。
しかし、朝食抜きなんて、男子高校生がそれでいいのだろうか。
朝からどんぶりメシだった俺には、ちょっと理解できない。
ちなみに昼飯は学食らしい。
つまりだ。
俺は夕食さえつくればいいのだ。
………なんて楽なんだろうか。
スーパーで、野菜を物色しながら、さて今晩はどうするか考える。
まぁ、俺のスキルでできるものなんてタカがしれてる。
「………カレーだな」
唯一俺が自信があるのがカレーだ。
それも、スパイスから作るから、なかなか本格的だったりする。
カレーを嫌いな奴はいねぇだろ。
和也も少しくらいなら食うはずだ。
ジャガイモや人参の根菜類をカゴにいれる。
昨日食った、ロマなんとかっていう野菜はどこだろう。
スーパー内をうろちょろして、スパイスもゲットした俺は、意気揚々と二宮家に戻った。