第8章 Good!!
さらに、節約のために食事を切り詰めていたら、体力に影響してきて、日雇いの工事現場などが辛くなってきていて。
フラフラで、綱渡りのような日々を送る始末である。
だが、これで働くのをやめて家賃を払えずに、この部屋を追い出されたら………マジでヤバい。
宿無しはヤバい。
なんとかして、体力勝負以外の働き口を見つけなければ。
俺は頭をかきむしり、残の少ない通帳をほおり投げた。
そして、テーブルの上のスマホを手にし、電源をいれる。
何度も立ち上げてるお仕事情報サイトを、目を皿のようにしてスクロールする。
この際、週休二日がいいとか、そんな条件いってられない、と、あらゆる職種にエントリーしたものの、世間はそんなに甘くなく、最初のふるいで落とされるばかりだ。
ようやく面接にこぎつけても、どうにも縁がないのか、不採用の通知の嵐。
………そこそこのメンタルは持ち合わせてるつもりだが、ここまでくると、泣きたくもなる。
くそっ………
画面をさらにスクロールしながら、床に寝転がった時。
「………お」
即日と家政夫という文字が目に飛び込んできて思わず起き上がった。
連絡後、すぐに来ていただける方。
家事の好きな方。
1日1万円。
男性限定。
「これだ」
1日1万円。破格の値段だ。
家の掃除洗濯くらいなんでもない。
こちとら大学からずっと一人暮らしだ。
なめんなよ。
男性限定というのが、少しひっかかるが、俺は表示されてる番号に急いで電話をした。