第4章 夕虹
風呂から上がってきた智はいくらかスッキリした顔になっていて。
いつものようにパンツ一枚で、買ってきたミルクティーを喉をならして飲んでいる。
さっきの浮かない顔の原因なんだったんだろう?
と、考えていると、
「食べる?」
智がポッキーを、差し出してきた。
珍しい……。こんなチョコレート菓子あんまり食べないくせに。
疲れてるのかな。
「うん……ありがと」
手渡されたものを口にいれると、智は自分もポリポリと噛りながら、ベッドによじのぼった
懐かしい甘さに、思わず美味しいなぁと呟くと、智はうん、美味しいね、と頷いた。
ふわりとした笑みは、いつものそれとかわらないようにもみえる。
けど……
「……なんかあった?」
ぽつりと問うと、智はポッキーを食べる手を止めた。
「なにもないよ?なんで?」
「いや……なんとなく」
すると、智はそのまま苦笑いしたような表情になり、
言おうかどうしようか迷うように口を引き結んだ。
そして、しばらく黙ったあと。
「俺さ……やっぱバレたらまずいことしてるよね」
なんていうから。
「……いまさら?」
思わず口走ってしまった。