第7章 月虹
kazu
誕生日にイベントがかぶる人は、俺の周りでは初。
しかもそのイベントが、クリスマス。
さらに、それが彼と付き合ってから初めて迎えるもの、とあっては、もう……とてつもなく大事な日といっても過言じゃない。
どちらに重きをおくかは、そりゃ誕生日だけど、街の雰囲気全てがウキウキしてるとあっては、それらの相乗効果で、わくわくも5割増しだ。
………したがって、俺は、ものすごく気合いが入ってる。
是非、彼には喜んでもらえるものをプレゼントしたいじゃないか。
でも。
……いったい…雅紀さんってなにが欲しいんだろ
仕事の手をとめて、休憩するふりをしながらさりげなく雅紀さんの姿を盗み見た。
雅紀さんは、横山さんと何やら真剣に話をしながらファイルを開いてる。
仕事してる雅紀さんを見るのは大好きだ。
なんたってかっこいい。
ぼんやりしていたら、いつの間にか口角があがってるのに自分で気づき、慌てて唇をひきしめる。
危ない危ない。
社内恋愛なんて周りにバレでもしたらシャレにならない。