第6章 春の虹
「……ほんとですか」
震えそうな声を叱咤して、横山さんを見上げると、横山さんは神妙な顔で頷いてる。
「……まじまじ」
……………いやだ
「いつ……ですか」
「来月から?」
やだ…………
「どこに…………ですか?」
動悸がする。
目眩がする。
「なんか、関西とかゆーてたで」
横山さんの声が遠い。
相葉さんが………いなくなっちゃう。
ここからいなくなっちゃう。
「おい。ニノ?」
「………あ、はい」
呆然としてる俺の目の前で、横山さんが手を振った。
「大丈夫か?ショックうけてへんか」
「あ…はい。残念で……」
「だよなぁ、俺も寂しいわ……最後に相葉ちゃんに愛の告白しとこかな。行かないで〜って」
おちょける横山さんの言葉なんか、半分も入ってこない。
声が、手が、震えないように頑張るので精一杯。
やだ…………いやだ。
相葉さんがいなくなるなんて………いやだ。