• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第6章 春の虹




二宮くんは、俺たちをみつけてふわりと笑んだ。


「お疲れ様です」

「お…う。お疲れ様」

「お疲れ!ニノ」


そんな二宮くんが、どうしようもなく可愛い。
いや、そもそも可愛いという形容詞を成人男子に使っていいものか。

俺が悶々としていると、


「………どうしたんですか?係長」


近づいてきた二宮くんが、横から心配そうに俺をのぞきこんできた。


ちっ……近い!


俺は、体をそらせて、全力で否定した。


「いい……いやいやいや。なんでもないなんでもない」


すると、ヨコがあきれたように苦笑する。


「動揺しすぎや……相葉ちゃん」

「え?」


二宮くんが不思議そうな顔になる。
俺はますます慌てた。


動揺してるなんて、余計なこと言うんじゃないよ!


俺の必死の視線を、ヨコは、ふんと鼻であしらい、話をそらせた。


「いいや、なんも。で?今日はなんかかわったことあったん?」

「あ、えっと、城島さんが見積もりだしてくれたんですけど……」


どれ?と、いう2人の会話をなんとはなしに聞きながら、俺は取り繕うように、パソコンのマウスを動かした。
ブンという微かな音とともに、さっきまでの入力画面に戻る。

けど、なんだか集中も切れて。


俺は、画面を凝視するフリをしながら、汗ばむ額に手のひらをあて、前髪をうしろになでつけた。


二宮くんの気配が心地よい。


………本当に?二宮くん。
ヨコの言うこと信じていいの?

/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp