第6章 春の虹
コーヒーを飲みながら、2人でぼんやりと海をながめていると、時間の経過とともに、あたり一面赤く染まってきた。
「みて……陽が沈むよ」
「……わぁ」
オレンジの光が輝きを深め、よりいっそう紅くなる。
キラキラ光るはるか水平線の向こうに、太陽がその姿をゆっくり隠してゆく。
それは息をのむくらいの美しさであった。
壮大な自然の変化を、目の当たりにした俺は言葉も出なかった。
都会の片隅で、セコセコ働いてるだけのインドアな俺には、こうやって相葉さんに連れ出されないと、一生見ることなんてなかったんじゃないかとさえ思う。
相葉さんが好き。
でも、好きだと思っちゃいけない。
…なんて、くよくよと悩んでることが、どうでもよく感じる。
だって。こんなにも好きだ。
隣に座る相葉さんの体温を感じてるだけでドキドキする。
相葉さんの声が心地よくて、いつまでも聞いていたい。
………そばにいたい。
「……二宮?」
「………」
「どうした?感動しちゃった?」
「……ふっ………く」
涙が止まらなくなった。