第5章 白虹
腹のなかでドクドク鳴り続けるものを感じながら、俺は深呼吸を繰り返した。
かたく閉じていた内壁をこじあけられた痛みは、徐々に快感にすりかわっていってる。
少しでも擦られたら、乱れそうな自分が怖い。
「……大野さん……?大丈夫?」
松本は、俺を抱き締めたまま、ただひたすらにじっとしている。
挿入れたまま動けないなんて、苦行でしかないだろうに。
首筋に感じるしっとりした肌に、お互い汗だくなのを思う。
俺は、松本の背中に腕をまわし、そっと背中を擦った。
前戯も何もせずに、いきなりコトをおっぱじめられたこともあるから、それに比べりゃなんてことはない。
衝撃に体が疼いたのは最初だけで、ものの数分で、物足りなくなってる俺がいた。
「……大野さん?」
黙ったままの俺に、松本が心配そうに声をかけてくる。
俺は、くすっと笑った。
「……さっき、名前で呼んでくれたのに」
「…………」
「キスしてよ……潤」
松本がすごい力で抱き締めてきた。