第5章 白虹
夢中だった。
口でしちゃうなんて、AVでしかみたことないから、見よう見まねだけど、大野さんはちゃんと感じてくれてたから、俄然やる気がでたし。
やだとか、離して、とかいってた気もしたけど……
俺は、口のなかのものを飲み下して、顔をあげる。
大野さんは、ぼんやりとした瞳で俺をみてた。
肩で息をしてる。
上気した顔が、色っぽい。
困ったような表情をしてるから、どうしたのだろう、と、思えば、
「ば……か、飲むなよ」
掠れた声で言われて、笑いがもれた。
そんなこと……
「気がついたら飲んでた」
「………まずいだろ」
「……美味しくはないけど、まずくはないよ」
「……うそだ……」
「嘘じゃない」
口を尖らす大野さんに覆い被さった。
汗の浮き出た額にキスをおとす。
「……めちゃめちゃ……可愛かった」
大野さんは、また困ったように笑った。
恥ずかしいのをかくすとこんな表情になるんだね……この人。
俺は、また大野さんをぎゅっと抱き締めた。