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Attack 《気象系BL》

第1章 ららら



「……俺の声聞いたら泣きたくなったの?」


俺より小さな肩を抱き寄せた。
すると、ゆっくりした動作で空になった缶を、カン……とガラステーブルに置いた彼は、俺に体を預けてきた。

そして、また呟くように言った。


「なんか、わかんないけど…」

「ふーん……そっか」


柔らかな笑顔で、俺をふりあおぐ彼に、そっと口づけた。


「大丈夫……いるよ、ずっと、ここに」


唇をゆっくり離し、低く囁いたら、彼はふわっと笑った。



天才といわれる彼は、繊細で、人から注目されることを嫌い、一人を好む。

でも、俺だけは、そばにいて欲しいんだって。
隣にいて欲しいって。
そう言われて、俺はこの人と生きていくことをきめた。

なぜかって、俺は、昔からずっとずっとこの人が好きだったから。

この人の隣にいれるのが俺の幸せでもあるんだ。


力のぬけた体をソファにおしつけて、深く口づけた。
俺の背中にそっとまわされた手が、ぎゅっと俺のシャツをつかむ。


それが合図。


俺は、キスを繰り返しながら、何度も囁いた。


「……好きだよ」

「ん……」


好きだよ……智。
これからも、ずっと好きだよ。


ぬくもりをわけるように、抱きしめた。

智は、

「もっと…」

と、小さく言った。


今日は甘えたモードなんだな……


笑って、俺は濡れた智の髪の毛に指をくぐらせて囁いた。


「髪……乾かしてからね」


智の、むっとした顔も好きだっていうのは、黙っておこう。


fin.
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