第4章 夕虹
嘘をつくと、その嘘を守るためにまた嘘をつく。
そうして、雪だるま式に嘘が膨らんでいって、身動きがとれなくなる。
今の俺は、そんな感じだった。
バイトをしてた嘘。
年齢をごまかしてた嘘。
裏のバイトの嘘。
もう……いいや。
こんな俺に、思われたって、松本には迷惑だろう。
少しでも、自惚れたバチがあたったんだ。きっと。
ならば、この思いは封印しようと……思った。
なかったことにしようと。
だから、……俺は、すべてを話した。
好きなやつに嘘をつきたくなかったのもあった。
涙もとまった松本は、その大きな瞳で真剣に俺の話を聞いている。
……そんな顔して、聞くような話じゃないんだけどな……と、思いながら、俺は、淡々と喋った。
昼間に焼けた肌が、思い出したようにヒリヒリした。
ほんの半日前の、松本と楽しく過ごしたあの海での時間が、遥か遠い昔のことのようだった。
涙も出ない。
裸にタオルケット一枚で、こんな話をしてる自分が……ひどく滑稽に思えた。