第4章 夕虹
「……なんで知って……」
いいかけて、慌てて口をおさえた。
これじゃあ、俺の反応で、正解だと言ってるようなものだ。
でも、松本には伝わってしまったみたいだ。
ああ……しまった。
後悔しても時すでに遅く、松本は泣きそうな顔をさらにゆがめて、俺の頬をそっと撫でた。
「俺と……同じ傷があるから」
「…………」
「あと……ホテルからあいつが出てきたの見たから」
「……そう」
俺が、ため息をついたら、松本はその大きな瞳から、ポロりと涙をこぼした。
ぎょっとして思わず起き上がる。
「ま……つもと」
「ごめん…」
「え……?」
「……思い出しちゃった。苦しかったよね……?」
「ああ……まぁ」
曖昧に言葉を濁すと、松本はぐすぐす鼻をすすった。
俺は、困った。
……だって、俺は、強姦まがいのことを確かにされたけど、そういうことをする仕事をしようとしてたから、松本と少し事情がちがうんだ。