第4章 夕虹
切れ切れの単語をつなぎあわせると、不穏な出来事が受話器の向こうで起こっていることに、間違いはなかった。
……やばい、これ、
はっきりとしたやりとりじゃないから、想像でしかない。
でも、明らかにこの電話もおかしい。
かけようとしてくれてたのに、何らかの原因で、話ができなくなったまま、回線だけが繋がってるという風にもとれる。
つまりこの電話の持ち主である松本に、何かが起きている可能性が高い。
俺は、冷たくなってきた指に力を込め、
「もしもし?もしもし?!松本??」
声をはりあげた。
俺の声が、そのへんに響いて抑止力になってくれたらいいのに、と思いながら、怒鳴り続けた。
しばらくして、
…………そうだ、松本の電話の呼び出し音鳴らせば……!
俺は、気がついて、一度通話を切る。
折り返そうとした瞬間、とある人物から電話が鳴り、勢いで通話ボタンを押してしまった。
……くそっ、ごめん!後回しだ!
急いで切ろうとしたら、通話口から、
『繋がった!!サトシ!!?』
焦ったような声が飛び込んでくる。
……ああっ……くそっ
無言で切るのも悪いから、俺は、あわてて応対した。
あとでかけ直す!そういおうとした。
ところが、
『サトシの連れが襲われた!』
店のバイト仲間の、リョウスケから、信じられない言葉を聞かされた。