第4章 夕虹
……嘘だろ……俺。
肩で息をしながら、呆然とした。
挿入れたとたんに、達するなんて……カッコ悪いったらない。
『……んん……』
智がなにかを感じたように、悩ましげに首を振る。
『…………』
そのしぐさに、一瞬鎮火しかけた衝動が、再び燃え上がる。
彼の苦しげな顔も、艶のある声も、たまらない。
俺は、そのまま体を倒し、智に口づけた。
ゆっくりと唇を重ね舌をさしこむ。
すると、智がぎゅうっ……と締め付けてきた。
熱い……すごい……!
ぎゅうっと伸縮するような動きで、ぐいぐい引き込まれる。
俺は、それに抗うように、腰をゆっくり引いた。
クチュッ……と、変な音がした。
俺の出したものが潤滑油みたいになって、よりいっそう動きやすくなってるのが、わかった。
うっとりしながら、もう一度腰をおしこむ。
『んん……ぁ』
智の体がぴくりと震えた。
可愛い……いとおしい。
俺は夢中で腰を動かした。
グチュ……グチュ……と、卑猥な音がした。
『ん……ぁ……ぁ……?』
さすがの智も気がついたみたいだ。
長い睫毛が、ふるっと震え……うっすらと目があいた。
茶色の瞳は何もうつしてはいないみたいだけど、ぼんやりと宙をさまよう瞳に、一瞬どうしようと思う。
でも、もうとめられなかった。
俺は、智の顔の横に手をつき、頬にキスしながら、何度も腰を押しこんだ。
サト……好きだよ……
俺を見てよ……
すると、しばらくぼんやりしていた智の唇が……ニノ……?って動いたのを見た。
…………!
途端に涙が滲んだ。
罪悪感なのか、なんなのかよくわからない。
気持ちを手にいれないまま、体を繋げる虚しさか。
わからないままに、俺は泣きながら智に何度も自分を刻んだ。