第4章 夜桜月見と三日月宗近.. 𓈒𓏸
二振りから話を聞き再び視線を落とし、雑誌のページをそっと閉じる。
心の奥で、ひとつの思いが静かに膨らむ。
「……喜んでくれるだろうか」
小さく口角が上がり、胸の奥で柔らかな期待が揺れる。
春の光に庭の桜が少しずつ色づき始めているのを、三日月はそっと目に留めた。
…さて、どう主を誘おうか……
心の中で静かに考えを巡らせる。
確か今夜は満月だったか…。
……うむ、夜桜月見とするか。
その場で心の中に静かに決め、胸の奥に小さな期待を灯す。
夜の桜の下、美桜と二人きりで過ごす時間――その光景を、三日月は想像しすでに心の中で楽しみにしていた。