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金平糖の詰め合わせ

第4章 夜桜月見と三日月宗近.. 𓈒𓏸












春の穏やかな日差しが縁側を満たしていたとある一日。
桜の蕾は花開き、風に乗って小さな花びらが舞い、庭に淡いピンクの影を落としている。

美桜は加州清光と乱藤四郎に手伝ってもらい書類を片付け、肩をすくめてひと息ついた。




『ふぅ、これでひと段落かな』





清光と乱はその手伝いを終え、審神者部屋の前の縁側に置いていた座布団に腰を下ろした。

清光は両腕を上に伸ばし背筋を伸ばしながら


「つーかーれーたー。あっ、そうだ!ねぇ、主!新しい“雑誌”見ていい?」


美桜は時々、現代の雑誌をこんのすけに頼み買って見ている。
清光や乱は美桜が新しい雑誌を買ったと聞くと、よく一緒に見ていた。


「あっ!僕も見たい!」


乱もまた美桜におねだりするように清光の言葉に乗った。



美桜が頷き雑誌を二振りに渡すとお礼を言いながら、二振りは現代のオシャレで可愛いものを見ながら楽しそうにしている。



美桜は小さく笑みを浮かべ、書類を整理しながら口ずさんでいた。




『ひとひらの風が頬を撫でて…』




それを聞いた乱がくすくす笑い、清光はいたずらっぽく微笑んだ。



「あ、またその歌。三日月っぽい感じの歌だよね!主、三日月のこと思い浮かべながら歌ってるでしょ」


「主さん、その歌歌ってる時幸せそうだよね」



美桜は二振りの言葉に照れながらも心の中で続きを歌っていた。






 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ひとひらの風が頬を撫でて
あなたを思い出すの
指先に触れたぬくもりが
月明かりに溶けていく

ねぇ 永遠なんて言葉より
今をあなたと生きていたい
春の夜 静かに咲く想い
そっと寄り添うように

満ちる夜 願う心は
あなたの笑みに照らされて
何もいらない ただこの時を
あなたと見上げていたい


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄





縁側から見える庭には、そよ風に揺れる木々と淡い光。
桜の花びらがふわりと舞い、庭の影がかすかに揺れる。その陰のどこかで、誰かの存在を告げるような微かな気配を、美桜はまだ知らなかった。







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