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金平糖の詰め合わせ

第3章 夏祭りと山姥切長義.. 𓈒𓏸












空き部屋の薄明かりの中、私は背中を向けたまま長義に後ろから包まれる温もりに胸を震わせる。


後ろから回された腕と肩越しに伝わる吐息に長義の存在が近くにあることを実感する。






「……主、もう……」






低く少し熱を含んだ声。普段は落ち着いている声から今の熱のこもった彼の声に胸がぎゅっと締め付けられる。





後ろから抱きしめられる感触に体は少し緊張しつつも、心の奥はじんわり温かくなる。


長義の息遣いや胸の動きが、私の背中越しに伝わり自然と頬が熱くなる。







『…ちょう、ぎ……』






小さくつぶやく私に長義はそっと頭を私の肩に寄せた。視線は直接見えなくても心で通じ合う距離感。





すると長義の唇が項に口づけられ、大きな手が私の浴衣の合わせにゆっくりと滑り込んできた。





『あっ…!』




長義の手が肌襦袢の上から私の胸に触れた。思わず抱きしめていたくまのぬいぐるみを落としてしまい、私の声が漏れると長義の手が徐々に大胆になっていく。



『んっ…、あんっ…』




「…っ主、」









二人だけの世界が、夜の庭の花火の光に揺れる影のように静かで濃く甘く包まれていく。


手の温もり、胸の奥の高鳴り、そして浴衣越しに伝わるほのかな温かさ。全てが、これから訪れる甘い時間の予感を秘めていた。











………Fin.
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