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金平糖の詰め合わせ

第3章 夏祭りと山姥切長義.. 𓈒𓏸












屋台が並ぶ庭をゆっくり歩きながら、屋台の灯りや太鼓の音を横目に見ていると長義の存在が自然と近くに感じられた。


浴衣姿の彼は落ち着いた雰囲気のまま、でも少しだけ体を美桜の方に寄せて歩く。
私は胸の奥で小さくドキッとした。







長義は元々あまり他の刀剣男士たちと絡むことを好んでは無かったが、
長船派の子たちとは話がしやすいのか、焼きそばを光忠から貰ってきていた。






「この焼きそば、燭台切光忠が主と食べるといいと言われて渡されたんだが…食べるか?」


長義の声は静かで穏やか。でも、美桜にだけ向けられた声のトーンには修行前より柔らかい温かさがある。





『そうなの?じゃあせっかくだし貰おうかな』




私は照れながら答え、長義の視線を感じる度に自然と顔が熱くなった。




焼きそばを楽しんだ後、陸奥守の射的の屋台が目に入る。


美桜の視線に気付いたのか長義が手を差し出した。




「おいで?ちょっと行ってみようか?」




私は小さく頷き、長義の手を取り陸奥守の屋台へ向かった。





「おっ!主に長義やんか!相変わらず仲がええのぉ、射的やってみるがか?」



陸奥守の快活で楽しそうに誘う声に、私が少し躊躇っていると
長義が柔らかく尋ねてくれた。




「何か欲しいものはあるのかな?聞かせてごらん?」




長義の言葉に私は射的台の景品を見渡し、色とりどりの景品の中から1つの景品が目に入った。

長義の髪色と同じ白銀色のくまのぬいぐるみを見つけた。
瞳の色も長義と同じ碧眼で、首には瞳と同じ色の可愛いリボンが巻かれていた。








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