第2章 伝えたい恋心と鶴丸国永.. 𓈒𓏸
とある日の本丸の中、午後の陽射しが障子を通して柔らかく部屋に広がる。
この日は陽射しが暖かく、気分転換も兼ねて審神者部屋ではなく
陽射しがよく入る本丸の一室で私は、机の上に広げた書類と資料を前に、
畳の上にある座布団に座って慎重に確認作業をしていた。
書類仕事が苦手な私に今日も長谷部が傍らに座り、
内容を一緒に見ながら意見を交わしていた。
長谷部「この順序のほうが、政府への報告書としても見やすいと思います」
『なるほど。確かにこちらの方が見やすいですね』
長谷部の提案に笑みを浮かべながら
『長谷部さんのおかげでスッキリしました。毎回お手伝いをしてもらってすみません』
長谷部「いえ、主命とあらばいつでも手伝わせていただきますし何処へでも参りますよ」
相変わらずの長谷部の忠誠心にクスクスと小さく笑った。
柔らかい日差しの中で交わされる穏やかなやり取り。
そこに、ほんのわずかに違和感を覚えた者がいた。
襖の影から、いつの間にか鶴丸国永が覗き込んでいる。